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小学生の英語多読📖紙の絵本から始めよう!vol.10

【第10回】絵本の次は何を読む?多読のステップアップにおすすめの2冊 

 

絵本から次のステージへ:どんなサインが出たら読み替え時? 

「うちの子、絵本はすらすら読めるようになってきたけど、次は何を読ませればいいのかな?」 

今回はそんな疑問にお答えする形で、絵本から次のステージへ進むタイミングの見極め方と、ステップアップにおすすめの2冊をご紹介します。 

 

まず、「次の本へ進む頃合い」について考えてみましょう。

厳密なルールはありませんが、以下のようなサインが見られたら、ステップアップを検討してみてください。 

 

・よく手に取る絵本を、ほとんど止まらずに読み進められるようになった。

・知らない単語が出てきても、絵や文脈からなんとなく意味を推測しながら読み進められるようになった。

・「もっと長い話が読みたい」「次に何が起きるか気になる」と、続きへの興味が自然に出るようになった。

 

——こういった変化が出てきたときが、ひとつの節目です。 

 

大切なのは「もう絵本は卒業しなければならない」と焦ることではありません。

絵本を楽しく読める状態は、多読にとっては理想的な土台です。そこに少しだけ背伸びした本を加える、という感覚でステップアップを考えてみてください。 

 

【1冊目】Nate the Great(ネイト・ザ・グレート):謎解きの楽しさで読む力を引き出すミステリーシリーズ 

 

【シリーズの概要】 

項目 内容
シリーズ名 Nate the Great
著者 Marjorie Weinman Sharmat
出版社 Random House Books for Young Readers(Delacorte Press)
語数の目安 1冊あたり約1,500〜1,700語
YL(読みやすさレベル)目安 1.2〜1.4
対象年齢目安 6〜9歳(英語ネイティブ)、多読では小学校中学年前後が取り組みやすい
総巻数 27冊(本編)+スピンオフシリーズあり
日本語版 あり(ポプラ社「きえた犬のえ」「まよなかのはんにん」など)

 

【どんなシリーズ?】 

Nate the Great(ネイト・ザ・グレート)は、1970年代にアメリカで生まれ、今も世界中で読まれ続けている子ども向けミステリーシリーズです。

主人公のネイトは、自分のことを「偉大な探偵」と信じて疑わない男の子。犬のスラッジとともに、友だちから持ち込まれるさまざまな謎を解いていきます。 

消えた絵、なくなった買い物メモ、真夜中の怪しい影——事件はどれも子どもの日常にある小さな謎です。ハードボイルド風の語り口(“My name is Nate the Great.”という決めゼリフから始まる)と、かわいらしい挿絵のギャップが絶妙で、推理しながら読む楽しさを自然に体験できます。ポプラ社から日本語版も出版されており、お子さんが日本語で内容を確認しやすい点も保護者にとって安心です。 

 

【多読としての特徴】 

Nate the Greatが絵本からのステップアップ本として優れている理由は、難易度の上がり方がとてもなだらかな点にあります。 

YLは1.2〜1.4と、絵本(YL 0.1〜0.9あたり)の次に手を伸ばす本として無理のない位置にあります。1冊あたりの語数は約1,500〜1,700語。絵本の数百語から比べると増えていますが、1冊を一度に読み切ることもじゅうぶん可能なボリュームです。短い文が積み重なる文体で、難しい語彙もほとんど出てきません。また、各巻が独立した1つの事件を扱っているため、どの巻から始めてもかまいません。「今日は1冊読み切った」という達成感が毎回得られるのも、多読の習慣づけにとって大切なポイントです。 

 

【最初に読む1冊は?】 

最初の1冊としておすすめなのは、シリーズ第1巻の「Nate the Great」です。日本語版タイトルは「きえた犬のえ」。友だちのアニーが描いた犬の絵が消えてしまい、ネイトが謎を追う——というシンプルな事件で、シリーズの世界観をつかむのにぴったりの1冊です。 

日本語版を先に読んでからでも、英語版をそのまま読み始めてもどちらでもかまいません。お子さんが謎解きや推理ものが好きなら、続きを読む動機づけになりやすいシリーズです。 

 

【音源・デジタルサポート】 

Nate the Greatには公式のオーディオブックがあり、Audibleなどで入手可能です。ただし、このレベルになると音声サポートへの依存度は、絵本の時期よりも自然と下がってきます。まず自分で文字を読んでみる、わからなくても絵や文脈から意味を推測してみる——その体験の積み重ね自体が、読む力を育てます。音声はあくまで補助として、読んだ後に確認する程度の使い方がちょうどよいでしょう。 

 

【2冊目】Knuffle Bunny(Mo Willems):絵本の延長で読めるのに、ぐっと深いストーリー 

 

【書籍情報】 

項目 内容
タイトル Knuffle Bunny: A Cautionary Tale
著者 Mo Willems
出版社 Hyperion Books for Children
語数の目安 約400〜450語
YL(読みやすさレベル)目安 0.8〜1.2
ページ数 36ページ
受賞歴 コールデコット賞オナー(2004年)

 

【どんな本?】 

Knuffle Bunny(ナッフル・バニー)は、ニューヨーク・ブルックリンを舞台にした絵本です。幼い女の子トリシャが、パパとコインランドリーへ行った帰り道に大切なぬいぐるみ「Knuffle Bunny」をなくしてしまい、まだうまく言葉が話せないトリシャが一生懸命パパに伝えようとする——という、シンプルだけれど胸に刺さるストーリーです。 

語数でいえば約400語と絵本の域ですが、この本の魅力はそれだけでは語れません。絵と写真を組み合わせたユニークなアート(ブルックリンの実写写真にイラストが重なる)と、読み終えたあとに「あ、そういうことか」と感じる構成の巧みさ。大人が読んでも面白いと感じる深みがあります。 

 

【多読としての特徴】 

Knuffle Bunnyの語数はNate the Greatよりも少なく、見た目は絵本です。しかし、テキストには以下のような特徴があって、絵本の延長として読みながらも「より深く読む」練習になります。 

まず、感情を表す言葉と表現が豊かです。幼いトリシャが言葉にならない感情を声に出す場面(”Aggle flaggle klabble!”のような擬音語)や、パパの焦りや困惑がユーモラスに描かれており、登場人物の気持ちを「読み取る」楽しさがあります。 

次に、絵と文字の両方から意味を読み取る力が必要になります。トリシャが何を伝えようとしているのか、実写写真の背景が何を意味しているのか——文字だけでなく視覚的な情報を合わせて理解する体験は、より長い物語を読むための準備にもなります。 

さらに、この本には続編があります。「Knuffle Bunny Too」「Knuffle Bunny Free」と3部作になっており、トリシャが少し成長するたびに物語の深さも増していきます。シリーズとして続けて読むと、読書の「物語が続く喜び」を体験できます。 

 

【こんなお子さんにおすすめ】 

Nate the Greatはまだ難しいかな、という場合や、もう少し絵の多い本から始めたいという場合は、まずKnuffle Bunnyから入るのがおすすめです。

「絵本だけど、なんだか引き込まれる」という感覚——それが次の読書への橋渡しになります。 

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また、Mo Williems(モー・ウィレムス)の作品は他にも多く、有名なところでは「Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!」シリーズや「Elephant & Piggie」シリーズがあります。

Knuffle Bunnyが気に入ったら、これらも視野に入れてみてください。Elephant & Piggieは会話中心の構成でYL 0.5〜1.0程度、自分で読む練習にも向いています。 

 

2冊を比べて見えてくる「次の1冊」の選び方 

今回ご紹介した2冊は、同じ「ステップアップ」を目的としながら、性格がまったく異なります。 

 

  Nate the Great Knuffle Bunny
語数 約1,500〜1,700語(1冊) 約400〜450語
YL目安 1.2〜1.4 0.8〜1.2
絵の比率 少なめ(挿絵がときどき) 多め(全ページ絵あり)
楽しみ方 謎解き・推理しながら読む 絵と文字で感情を読み取る
向いているお子さん 謎解き・推理ものが好き 絵が好き、感情表現に関心がある
チャプターブックへの距離 ほぼチャプターブック チャプターブックへの橋渡し

 

どちらが「正解」ということはありません。今のお子さんがどちらに引っかかるか、ちょっと手に取ってパラパラとめくってみて、「これ読んでみたい」という反応があった方から始めるのが一番です。 

 

もうひとつ、この段階での音声サポートについて改めて触れておきます。絵本の時期は、読み聞かせやマイヤペン、CDといった音声サポートが「英語を体に入れる」大切な手段でした。

しかしKnuffle BunnyやNate the Greatのレベルになると、音声はあくまで補助として使うものになってきます。 

 

音声なしでも意味がつかめる、あるいは「まず自分で読んでみたい」という気持ちが出てきたなら、それは大きな成長のサインです。

音声を完全にやめる必要はありませんが、「音がないと読めない」から「音がなくても読める」への移行を、少しずつ意識してみてください。 

 

購入ガイド 

 

Nate the Great 

購入先 特長
Amazon.co.jp(洋書カテゴリ) シリーズがそろっており価格も安定。必ず「販売:Amazon.co.jp」の正規品を選ぶこと。まずは第1巻から試してみるのがおすすめ
eltbooks.com(英語教材専門) ISBN・著者・レベル(Beginning〜Advancedなど)・ページ数といった書誌情報を確認しながら選べる
紀伊國屋ウェブストア 正規品を確実に購入したい方に安心の大型書店系列
メルカリ・ヤフオク 状態を確認できれば中古品でも十分。シリーズが長いため、中古を活用するのも現実的な選択肢

まずは第1巻「Nate the Great」1冊だけ購入して、お子さんの反応を見てから揃えていくのがおすすめです。 

 

Knuffle Bunny 

購入先 特長
Amazon.co.jp(洋書カテゴリ) ペーパーバック版・ボードブック版ともに入手しやすい
紀伊國屋ウェブストア  正規品を確実に購入したい方に安心の大型書店系列

Knuffle Bunnyは3部作は、購入サイトによりますが、現在は1冊あたり2,000〜4,000円程度、3冊まとめて購入すると9,000円前後になることが多いようです。

メルカリやヤフオクでは中古品が安く出品されることもありますが、状態や入手時期は不確実であるため、確実に入手したい場合はAmazon.co.jpや紀伊國屋ウェブストアの利用がおすすめです。

 

まとめ 

絵本から次のステージへの移行は、「焦らず、でも少し背伸びを」がちょうどいい合言葉です。 

Nate the Greatは、子ども向けミステリーの定番シリーズとして世界中で読まれ続けており、謎解きが好きなお子さんには特に引き込まれる1冊です。

Knuffle Bunnyは語数こそ少ないものの、絵本の延長として読みながら「物語を深く読む体験」を届けてくれます。 

どちらの本も、これまでの連載でご紹介してきた英語絵本で積み上げてきた「英語に触れる量」が土台になって、より楽しめます。

 

CDや読み聞かせアプリ、マイヤペンといった音声サポートに頼りながら進んできた段階から、少しずつ「文字を自分で読む」へと重心を移していくこのタイミングは、英語力の育ちという観点でも大切な節目です。 

焦らずに、お子さんの「読みたい」という気持ちを大切に、次の1冊を一緒に選んでみてください。 

次回予告 

次回はこの連載の最終回です。

これまで紹介してきた絵本・リーダーズ・チャプターブックを通して積み上げた「英語を読む力」が、どのように書く力・表現する力へとつながっていくのかをお伝えします。

多読と英検、多読とライティングの関係についても、アカデミック・ロードの考え方を交えながらお話しします。お楽しみに! 

 

【体験授業・お問い合わせ】 

「どの本から始めればいいかわからない」「子どものレベルに合った本を相談したい」

——そんなお悩みは、アカデミック・ロードにお気軽にご相談ください。多読の1冊選びから、お子さんの興味・英語力に合わせた学習プランまで丁寧にご提案します。 

体験授業のお申し込みは、下記のWebフォームまたは各校舎まで直接お問い合わせください。 

 

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