【連載】英語学習アプリ完全ガイド Vol.1~おうちで伸ばす英語力~
読むのも、聞くのも、話すのも――今や英語学習はアプリの時代!
アカデミックロードでも取り入れている Raz-Kids をはじめ、家庭での多読にぴったりなリーディングアプリから、スピーキング・ライティング・語彙力を育てるトレーニングアプリまで。英語学習アプリは幅広く活用されています。
この連載では、「楽しみながら英語力を伸ばせる」おすすめアプリを、 目的別にわかりやすくご紹介。お子さまのレベルや目的に合った“英語アプリ学習のベストパートナー”を見つけていきましょう!
連載1⃣ 世界の子どもが夢中!
英語絵本アプリ「Epic!」で“読む力”を育てよう!
第1回は、アメリカ発の子ども向けデジタル図書館「Epic!(エピック)」をご紹介!
40,000冊を超える英語絵本が読み放題の、まさに“英語多読の入口”となるアプリです。
Epic!とは? アメリカ発の子ども向けデジタル図書館📖
Epic!公式サイトHP https://www.getepic.com/
Epic!は、2013年にアメリカで誕生した子ども向け電子図書館アプリです。
世界190か国以上で利用され、登録ユーザーは2億人を超えるとも言われています。
対象は主に3〜12歳。英語圏の小学校や公立図書館でも広く導入されており、教育現場でも“読む力を伸ばす定番教材”として定着しています。
アプリの中には、絵本・チャプターブック・ノンフィクション・マンガなど、あらゆるジャンルが揃っています。ページめくりの動きも紙の本に近く、音声付き絵本ではプロのナレーターが自然な発音で読み聞かせてくれるため、「読む+聞く」両方の力を同時に鍛えられるのが大きな特長です。
40,000冊の英語絵本が読み放題!
Epic! の蔵書数は40,000冊以上。まさに「家庭の中の英語図書館」と呼べる規模です。
幼児向けの絵本から、小学生・中学生が楽しめる読み物、さらにはノンフィクションや科学読み物まで、ジャンルの幅が非常に広いのが特徴です。
人気シリーズには、Pete the Cat、National Geographic Kids、Frozen、Diary of a Wimpy Kid など、子どもたちが知っているキャラクターや実際の学校教材シリーズが多数収録されています。
Epic!では、読者のレベルに合わせて本を探しやすくするための仕組みも整っています。
作品によっては Lexile(レクサイル指標) や AR(Accelerated Reader)レベル(※) などの読書難易度が表示されており、検索バーでキーワードを入れたあとに「Reading Level(読書レベル)」フィルターをかけて絞り込みを行うこともできます。
※ Lexile(レクサイル指標)とは、米MetaMetrics社が開発した英語圏で広く使われる読解レベル指標。語彙や文構造の難易度を数値化したもの。
※AR(Accelerated Reader)レベルとは、米Renaissance社が作成した英語圏の学校教材で用いられる読書難易度スコア。
また、プロフィール登録時に設定した年齢や興味ジャンル、これまでの読書履歴などをもとに、アプリの「Explore(おすすめ)」ページでは、読者の傾向に合わせた本が自動的に紹介される仕組みもあります。つまり、英語力のレベルを細かく設定しなくても、読んだ内容や興味に近い本が少しずつリコメンドされていくのです。
ただし、すべての本にレベル情報が付いているわけではなく、検索機能の精度にも若干のばらつきがあります。そのため、最初のうちは「イラストが多い」「文が短い」など、見た目のやさしさも目安にしながら選ぶのがおすすめです。
また、「Read-to-Me」機能(※2)を使えば、音声付き絵本として耳からも英語を吸収できます。 紙の本だけでは難しかった「目と耳の両方で理解する」体験を、スマートフォンやタブレット1台で実現できるのは、デジタル多読ならではの強みです。
※2 Read-to-Me は、絵本やリーダーの本文を英語の音声で自動朗読してくれる機能です。
読み終えたあとに理解をチェックできる「Comprehension Quiz」
Epic!では、ただ読むだけで終わらせず、読んだ内容を理解できているか確認する仕組みも備わっています。多くの本には、最後に「Comprehension Quiz(理解クイズ)」がついており、登場人物やストーリーの内容、出来事の順番などを英語で3〜5問ほど出題してくれます。
このクイズは、読み聞かせ機能(Read-to-Me)で聞いた内容を思い出したり、本文をもう一度見返したりしながら答える構成になっており、“読む→理解する”サイクルを自然に身につけるのに役立ちます。また、クイズ結果はスコアとして表示されるため、子ども自身が「どの本を理解できたか」を振り返るきっかけにもなります。
なお、すべての本にクイズが付いているわけではありませんが、“Take Quiz”と表示される作品を選べば、家庭用プラン(Epic Family)でもこの機能を活用できます。
料金プランは?現在は実質「有料プランのみ」
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
月払い | 月額 13.99ドル | 手軽に始めたい方向け |
年払い | 年額 84.99ドル(月換算 約7.09ドル) | 長期利用ならこちらがお得 |
サブスク登録前でも、アプリのダウンロードとサインインは可能です。
ただし、利用できるのはごく一部のプレビュー表示のみで、すぐに「7日間の無料体験(Free Trial)」の案内が表示されます。
7日間の無料体験終了後は、自動的に有料プランへと移行する仕組みです。
※サインイン後、サブスク契約前だと、画像のように「Preview only. Subscribe now.」と表記されます。
公式HPもアプリも基本的には英語表記ですが、スマートフォンやタブレットの翻訳機能をONにすれば日本語表示も可能です(ただし、一部不自然な訳語が含まれます)。
💡1アカウントで最大4人まで登録可能!
家庭利用プランでは、ひとつの契約で兄弟・姉妹など最大4名までプロフィール登録が可能です。
レベルや進度が異なるお子さまでも、個別に学習履歴が管理できるため、家族での利用にも向いています。
【教育機関向け「Epic School」】
学校や塾で利用する場合は、教師が発行するクラスコードを使って無料でアクセスできる教育向けプラン「Epic School」もあります。こちらは平日7:00〜15:00の時間帯に限定されており、学校内での学習利用を想定したサービスです。自宅でEpic!を使用したい場合は、やはり個人でサブスクリプション登録が必要となります。
💡補足メモ ⇒「Epic Family」のサブスク料金は、学校で無料利用できる「Epic School」を支える仕組みになっています。個人の有料プランの契約が、教育現場での無料提供を支える“サステナブルモデル”なのです。
解約の方法と注意点
Epic!を試したいと思っても、 「もし合わなかったらどうすればいいの?」「解約が難しそうで不安…」――そんな理由で一歩を踏み出せない、という方もいるのではないでしょうか。
Epic!のサブスク契約は、どのデバイス・経路で登録したかによって解約方法が異なるため、あらかじめ知っておくと安心です。以下に、それぞれの解約方法を整理しました。
契約経路 | 解約手続きの方法 |
---|---|
パソコン(公式サイトから契約) | Epic!公式HPにログインし、「Account Settings」→「Cancel Subscription」から解約 |
iPhone/iPad(App Store経由) | Apple IDの「サブスクリプション管理」画面からEpicを選び「キャンセル」 |
Android端末(Google Play経由) | Google Playアプリの「定期購入」ページからEpicを選び「キャンセル」 |
アプリのダウンロード元と、サインイン方法(Google/Apple/メールアドレス)が異なる場合、契約情報が別管理となり、解約手続きが反映されないケースがあるので注意が必要です。
たとえば、App Storeでアプリをダウンロードし、サブスク登録したのに、Googleアカウントでログインしている場合などです。契約時と同じ経路(Apple ID)で解約を行うよう注意しましょう。もしその後、PCでEpic公式サイトにアクセスして「Googleでログイン → 解約」を試みても、契約自体はAppleに紐づいているため、Epicの公式サイトでは解約できません。
続けやすい仕組み:読書時間・バッジでモチベーションUP
Epic!の魅力のひとつは、続けたくなる仕組みが豊富なこと。
アプリは自動で読書時間を記録し、「今日○分読んだ!」という達成感を数字で確認できます。
また、本を読み終えるごとにバッジやポイントがもらえる「ごほうびシステム」があり、子どもが自然と「もう1冊読もう!」と感じる仕掛けになっています。
さらに、Epic!には学習を一緒に見守ってくれるキャラクター「Buddy(バディ)」 が登場します。
バディは本を読むたびにリアクションを見せたり、読書量に応じて表情や動きが変わったりと、子どもたちの“読書の相棒”としてモチベーションを支えてくれます。ゲーム感覚で続けられるこの要素は、特に低学年の子どもたちに人気です。 読んだ本は自分専用の“本棚”に保存されるため、これまでの読書履歴が一目でわかります。
アカデミックロードでも大切にしている「読む → 振り返る → 共有する」の多読サイクルと相性がよく、家庭学習としても取り入れやすい仕組みです。
まとめ
👉Epic!は多読初心者から上級者まで楽しめる、世界標準のリーディングアプリ
Epic!は、豊富な音声付きコンテンツとやさしい語彙構成で、英語多読をこれから始める子どもに最適!
アプリ内では、①「Read-to-Me」機能で英語の音声を聞きながら読む、②読み終えた後に「Comprehension Quiz(理解クイズ)」で内容を確認、という流れで、「読む・聞く・理解する」がひとつのアプリの中で完結します。
さらに、読書のたびにポイントやバッジが貯まる「ごほうびシステム」や、一緒に学びを応援してくれるキャラクター「Buddy(バディ)」の存在が、子どものやる気を支え、楽しみながら継続する力につながります。
おうちの中で“英語の本の世界”に気軽に触れられる―Epic!は、そんな多読学習の最初の一歩を応援してくれるアプリです。
次回予告
次回は、英語多読の定番シリーズとして有名な「Oxford Reading Tree(ORT)」を、アプリで学べる Oxford Reading Club(ORC) を紹介します。
学校や塾でも広く導入されている信頼の教材で、「読む・聞く・理解する」が一体化した学習設計が特徴。レベル別に段階的に読み進められるため、多読初心者から上級者まで安心して使えます。
家庭でも手軽に“王道の多読体験”を実現できるアプリとして、具体的な使い方や料金体系も詳しく解説します!