【連載】英語多読 小学生向け完全ガイド Vol.5
栃木県宇都宮市・小山市の英語塾「アカデミック・ロード」がお届けする、小学生のための英語多読完全ガイド 〜やり方・お勧め本・始め方まで~
英語多読を始めてみたけれど、「どんな本を選べばいいのかわからない」という声を、保護者の方からよく耳にします。
そこで今回は、アカデミック・ロードの指導現場で実際に活用している「小学生におすすめの多読本」を、レベル別・ジャンル別に詳しくご紹介します。初めての一冊として安心して選べる絵本から、少し慣れてきた頃に挑戦したい本、そして「もっと読みたい!」という子どもたちに向けた読みごたえのあるシリーズまでご紹介。さらに、本選びにとても役立つ「読みやすさレベル(YL)」についても解説します!
──楽しく読んで、いつの間にか英語が ‘’出来る‘’ 自分になっている。そんな未来を親子で目指してみませんか?
連載5⃣小学生におすすめの英語多読本はこちら!
~レベル別・ジャンル別にご紹介~
【ステップ1】はじめての多読におすすめなのは?
英語多読の第一歩は、「簡単すぎる」と感じるくらいから始めるのが鉄則です。
そこで初めての多読には、文字数が少なく、絵から内容を推測できる絵本が最適です。
以下のシリーズは、英語の音やリズムに親しみながら、読書の楽しさを体験できます。
1-1 Oxford Reading Tree
イギリスの小学校でも採用されている定番シリーズ(通称ORT:Stage1~9)。
短い文章と豊富なイラストで構成され、登場人物のビッフェ一家とその友だちの冒険を通して、自然と日常英語に触れられます。
Stage 1はほぼイラストのみで、英語への心理的ハードルを下げる効果があります。
1-2 Usborne Very First Reading
フォニックスの導入に力を入れているシリーズが、イギリスの出版社Usborneの「Very First Reading」です。
このシリーズの大きな特徴は、1冊の中に「親が読むパート」と「子どもが読むパート」が交互に用意されていること!親子での読み聞かせにぴったりです。
リキャップタイムにも繋げやすくなります。
1-3 National Geographic Kids Beginners
動物や自然をテーマにしたノンフィクションの写真絵本。
視覚的な情報が豊富で、英語がわからなくても「見て楽しめる」構成になっています。
動物・自然・科学など、子どもの知的好奇心をくすぐるテーマが満載です。
【ステップ2】少し慣れてきたら読みたいシリーズ本
英語に少し慣れてきたら、物語性のあるシリーズに挑戦してみましょう。語彙や文法も少しずつレベルアップしながら、読書の幅が広がります。推測力や語彙力を育てる時期です。
2-1 Penguin Kids
ディズニーやピクサー映画を題材にした「Penguin Kids」(Level1~6)は、子どもにとって非常に親しみやすいリーダー本です。英語のストーリーを読む前に映画を観ていれば、すでに内容を知っているため、知らない単語が出てきても推測しやすく、理解度がぐっと上がります。
2-2 Scholastic Readers
アメリカの出版社Scholasticが出している「Scholastic Readers」。ジャンルが多彩で、学校生活や友情、冒険など子どもが共感しやすいテーマが豊富です。語数も1000〜3000語と幅があり、徐々に長い文章に慣れていくのに最適です。日本の英検に出てくるような日常的表現も多く含まれているため、テスト対策としても副次的な効果があります。
【ステップ3】読みごたえを求める子にはこちら!
多読が習慣化し、文章量にも慣れてきたら、より長いストーリーに挑戦する時期です!
3-1 Magic Tree House
多読に慣れて「もっと読みたい!」という子どもたちに大人気なのが、アメリカ発の「Magic Tree House」シリーズです。
兄妹が不思議なツリーハウスを通じて歴史や地理、科学の世界を冒険する物語で、1冊ごとに完結しつつもシリーズとして続きが気になる構成になっています。
3-2 Graded Readers
世界の名作文学や映画、偉人の伝記を、やさしい英語に書き直したシリーズが「Graded Readers」です。
Oxford、Cambridge、Macmillanなど複数の出版社から出版されており、テーマも多様です。
例えば「ロビンソン・クルーソー」「オズの魔法使い」といったクラシック作品を、英語初心者でも読めるレベルに調整してあるため、物語の面白さを損なわずに読書を楽しめます。
3-3 Usborne Young Reading シリーズ
美しい挿絵と共に、やや長めの文章を楽しめるのが「Usborne Young Reading」。世界の名作童話やオリジナル物語を幅広く収録しており、「自分で読む本」に移行する過渡期の子どもに最適です。
ストーリー展開がしっかりしており、読解力を伸ばすのに役立ちます。挿絵が豊富なため、長文でも飽きずに読み進められるのが魅力です。
本選びに役立つ「読みやすさレベル(YL)とは」?
英語多読では、「どの本を選ぶか」が成長のスピードを大きく左右します。
そこで役立つのが、日本多読学会が独自に設定している「読みやすさレベル(YL:Yomiyasusa Level )」です。
YLは、語数だけでなく文の長さや内容の複雑さなどを総合的に考慮し、本の難易度を0.0〜9.9までの数値で示したものです。 YLは数値が上がるにつれて必要とされる読解力も高くなるため、YLを目安にすれば「難しすぎて読めない」「簡単すぎて退屈」といった本選びの失敗を防げます。
実際に読みやすさのレベル(YL)を調べるには、その目的別に次のような検索方法があります。
1) 特定の本のYLを知りたい場合 ⇒ SSS書評検索、多読王国、Google検索が便利
2) YLの区分から本を探したい場合 ⇒ 多聴・多読ステーションで検索
3) まとまったデータとして確認したい場合 ⇒ 日本多読学会のリストを参照
英語の本が初めての方は絵が多い0.5以下のものからスタートすることをお勧めします。
あまり聞きなれないYLですが、上手く活用すれば、あなたの子どもにぴったりの一冊を見つけられるでしょう。
大切なのは「少し簡単かな?」と思えるくらいから始めること。
最後に、今回ご紹介した各シリーズのYLの目安やそれぞれの特徴などを一覧にまとめましたので、こちらも本選びの参考にしてください。
【小学生向け英語多読シリーズ 一覧表】
小学生向け多読シリーズ一覧一覧表PDF https://english-ar.com/wp_2018/wp-content/uploads/aca158dae2cfaeadb816a4d3bddbade9.pdf
※英検対応級は目安です。
まとめ
英語多読を成功に導く最大のポイントは、子どもにぴったりの本を選ぶことです。初めは絵本のようなやさしい本から入り、徐々に語数の多いリーダー本、さらにシリーズ物へと進むことで、自然なステップアップが可能になります。そして「読みやすさレベル(YL)」を参考にすることで、適切な挑戦の幅を見極めることができます。
今日ご紹介したシリーズは、どれもアカデミック・ロードで実際に子どもたちが成長を実感してきた「信頼のラインナップ」。ぜひ、ご家庭での多読生活に取り入れてみてください。
次回予告
Raz-Kidsとは?基本機能とARでの活用事例を徹底解説!
次回は、アメリカ発のオンライン英語リーディング教材「Raz-Kids」を取り上げます。
Raz-Kidsが英語圏の小学校でも広く使われる理由 や、レベルの仕組み(Pre-A〜Z2)と英検との対応目安 など、デジタル時代の多読教材を徹底的に解説!
アカデミック・ロードでの活用事例と、導入後に見られた子どもたちの変化についても触れていきます。 どうぞお楽しみに!
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