授業レポート Lesson Report

Basicユニット

AR Basicクラス レッスン見学レポート

 AR(アカデミック・ロード)の「Basicユニット」は、英語学習の基礎をしっかりと固めるとともに、総合的な英語力を伸ばすことを目的としたクラスで、主に中学生を中心に構成されています。今回見学したBasicユニットは、90分の授業と60分の多読を合わせた150分のプログラムで、個別学習とグループ活動の双方を組み合わせながら進みます。今回は、そんな Basicユニットの授業を見学させていただきました。

一人ひとりを大切にしながら、仲間と学び合う授業

 授業時間になると、様々な学年の生徒たちがやってきました。制服でくる生徒、ジャージでくる生徒、私服の生徒と様々です。まるでファッションショーのような多様性!ARでは年齢ではなく英語のレベルでクラス分けをしているため、学年が異なる中学生が同じクラスにいるのは自然なことだそうです。
 まずは先週何をしたかと英語で聞かれていました。それと同時にホームワークの確認も求められそこからレッスンがスタート。この前の週は連休だったこともあり、旅行に行っていた生徒も数人いて、「I went to Okinawa!」「Disneyland was fun!」と楽しそうに話していました。まさに中学生らしい元気な報告で、教室が一気に明るくなりました。

その後、個別学習の時間になると生徒たちが自分のメニューに取り組む姿が印象的でした。ARの授業では個別学習の時間、みんなで足並みを揃えて問題を解くのではなく、一人ひとりが自分のペースで教材に取り組み、終わったら先生に提出するスタイルを取っています。先生が生徒の近くにいて個別にアドバイスをくれる、理想的な学習環境だと思いました。

理解度を重視して進める文法学習

 文法も個別学習の時間です。このレベルの生徒たちの多くがつまずくのが文法だそうです。まず先生が個別にテキストに沿って今日学習する内容を簡単に説明します。「今日は現在完了形をやります」と聞いた瞬間、「えー、難しそう…」とつぶやく生徒の声が聞こえました。でも大丈夫。ARの文法は実際に文章を書くことに重点を置いているため、どれくらい理解しているかが一目でわかるそうです。さすが先生方の工夫ですね。

 個別レッスンでこのように一人で集中して問題に取り組む時間もしっかり確保されているため、先生から生徒への個別のアドバイスも受けられます。「あ、わかった!」という嬉しそうな声があちこちから聞こえてきました。

アイデアを出し合う作文の時間

 次は作文(ライティング)です。これはグループレッスンの一つです。テキストはAR WritingC3とC4と書かれたテキストを使っていました。同じユニットの生徒同士でアイデアを出し合い、それを自分の作文に活かしていきます。アイデア出しをみんなで行った後は、ライティングテキストにそれぞれ書いていきます。

 この日のレッスンではC3は『What are you into these days?』(最近夢中になっていることは)というトピックでした。「YouTubeで猫の動画ばっかり見てる!」「ゲームで新しいキャラゲットした!」「K-POPにハマってる」などなど、生徒さんの話が盛り上がっていて、聞いているこちらも「あー、やっぱり中学生だな~」と微笑ましくなりました。

 先生に聞いたところ、以前のARは完全に個別指導だったため、作文を書く時はいつも一人きりだったそうです。そのためアイデアを思いつくのが苦手な生徒はなかなか上達しなかったとのこと。でも今は案だしはみんなで一緒に行っているので、自分では思いつかないアイデアを他の生徒からもらって、より良い作文が書けるようになったそうです。
 他の生徒とアイデアを共有するのは恥ずかしいと感じる生徒もいるかもしれませんが、先生が上手に会話をリードして、たくさんのアイデアを引き出してくれます。「それいいね!」「私も同じ!」と生徒たちも案だしを楽しんでいました。

みんなでアメリカについて学ぶ知識の時間

 ライティングの後は、知識をインプットする時間です。現在はアメリカの50州について学習しているそうです。「カリフォルニア州はハリウッドがあるところ!」「テキサス州って大きいよね」など、生徒たちの知識を総動員してアメリカについて学んでいきます。この時間では生徒同士で情報を共有し合いながら、英語圏の文化や地理について理解を深めています。仲間との学び合いを通じて、一人だけでは得られない様々な視点を身につけることができるのだと思いました。

多読と聞き取りで英語にどっぷり浸かる60分

 90分のレッスンが終わると、次は60分間の多読&リスニングの時間です。天井まで届きそうな本棚にはたくさんの本が!まさに図書館のような圧巻の光景です。多読専門の先生からアドバイスをもらって本を選びます。本棚には絵だけの本から文字がぎっしり詰まった本まで、生徒の様々なレベルに対応した図書が並んでいます。

 ARの多読は本に付いているCD音源を聞きながら行います。好きな本を選んだら、自分の席にあるCDプレーヤーにCDをセットし、本を目で読みながら耳でも聞きます。CDからは様々な効果音や音楽が流れ、本の世界にぐっと引き込まれます。そのため45分間があっという間に過ぎてしまいます。生徒のタイミングを見計らって、先生が多読ホームワーク(オンライン書籍)の確認をしていました。「先週は5分しか読んでないね~」と言われた生徒は「部活で忙しくて読めませんでした」と苦笑いで答えていました。中学生あるあるの光景ですね。

 最後の15分はリスニングの時間です。単に聞き流すのではなく、音を止めてその音を生徒に再現させる。「えーっと、何て言ったっけ?」と首をかしげる生徒もいましたが、この再現練習がリスニング力向上に非常に効果的だということでした。

個別指導とグループレッスンの良いところを両方取り入れた授業

 見学後、生徒さんたちにも話を聞いてみました。どの時間が好きかを尋ねたところ、ライティング(作文)とアメリカについて学ぶ時間が好きな生徒が圧倒的に多かったです。「みんなでアイデアを出し合うのが楽しい」「アメリカのことを知るのが面白い」「一人だと思いつかないことも、みんなで話すと出てくる!」といった声が聞かれました。

 Basicユニットの授業見学は以上です。最初トータル150分のレッスンは中学生には長くないのか?と思っていましたが、個別学習の時間とみんなで学ぶ時間がバランスよく組まれているため、レッスンにメリハリがあり、150分があっという間に感じられました!生徒たちの「もう終わり?」という驚きの声も聞こえてきたほどです。一人で集中して学習する効果と、みんなで行う学び合いの相乗効果を両方取り入れたARのユニット形式の授業は、とても魅力的だと感じました。