授業レポート Lesson Report

Advancedユニット

AR Advancedクラス レッスン見学レポート

 AR(アカデミック・ロード)の「Advancedユニット」は、「C4以上かつ英検準2級以上の生徒」と「受験生」で構成される、最もハイレベルなクラスです。
 今回見学したAdvancedユニットは、多読60分、個別学習60分、グループで学ぶリスニング&ライティング60分の計180分という構成で、英語力の総合的な向上を目指しています。
 Basicユニットとはまた異なる、より自立した学習者を育成する授業スタイルが印象的でした。

ホームワークの成果を確認から始まる多読時間

 授業は多読からスタートしました。まず先生が生徒たちの自宅での多読状況を確認していました。「先週はどれくらい読んだ?」と聞かれた生徒が「えーっと…テスト前で読めませんでした」と困った顔をしていると、先生は「じゃあ、今週は読んでね~」とどんどん確認していきます。中には「私は3時間も読みました!」と自慢げに答える場面も。ARではオンライン書籍システムを活用しており、生徒たちが家庭でどの程度読書を進めているかが把握できるようになっています。自宅学習の習慣が定着している生徒が多いのも、このクラスの特徴でした。

 その後、今日読む書籍を選びます。Advancedクラスの生徒たちは多読歴が長い生徒が多く、本棚の前で「これにしようかな…いや、やっぱりこっち」と迷っている様子はまるで書店で本を選ぶお客さんのよう。自分で適切なレベルの本を選べるようになっていることに驚きました。一方で、本を読み終わったり、チャプターの区切りの良いところで先生が感想を聞いている姿も見られました。「難しすぎる」「面白くない」といった生徒には、すぐに別の本を勧めるなど、一人ひとりの読書体験を大切にする配慮がなされていました。
 音源付きで読み進める生徒たちの集中力は素晴らしく、60分間があっという間に過ぎていく様子でした。中には読み終わった本を「はぁ〜」と大きくため息をつきながら閉じる生徒もいて、物語の世界にどっぷり浸かっていたことがよくわかりました。

音を聞けるようになる本格的なリスニング指導

 多読の後は、リスニング&ライティングの時間です。この日のリスニングでは共通テストの素材が使用されており、いよいよ大学受験を見据えた実践的な内容となっていました。このクラスには英検準1級に合格している生徒も数人いるとのことで、どのような指導が行われるのか興味深く見学させていただきました。

 まず音源を全体通して聞いた後、問題に答えることよりも「聞けるようになる」ことに焦点を当てた指導が行われていました。音の復元練習では、できる生徒は長いセンテンスを、まだそこまでではない生徒は短いフレーズを復元するなど、先生が各生徒のレベルを的確に把握してスムーズに進行していました。

 特に印象的だったのは、生徒たちの協力的な学習スタイルです。一人の生徒が「えーっと、The man was...」までしか答えられなくても、次の生徒が「walking in the park!」と続けて、「あ、違った、running!」と別の生徒が訂正する。まるでリレーのように正解に近づいていく過程が面白く、間違いがあってもすぐに先生が正解を言うのではなく、みんなで正解に近づいていく共同作業のようでした。生徒たちも「あー、そうか!」「なるほど!」と楽しそうに参加していて、この方法により、生徒同士で学び合い、支え合いながら全員のリスニング力向上を図る工夫がなされていました。

自立した学習者を育てるライティング指導

 リスニングの後はライティングに移ります。まずはトピックの理解と案だしから始まりますが、Basicユニットとは大きく異なり、案は各自で考えて先生に説明し、先生のOKが出た生徒から順次執筆を開始していました。

 「先生、私のアイデアはどうですか?」と緊張した面持ちで説明する生徒。「いいね!書いてみよう」とOKをもらえると「やった!」と小さくガッツポーズをする姿が微笑ましかったです。一方で、「うーん、もう少しサポーティングディテールを考えて直してみて」と言われた生徒は「えーっ」と困った顔をしながらも、再度考え直していました。このプロセスを通して、生徒たちは自分の力でアイデアを生み出す力を養うとともに、先生との個別対話を通じて論理的思考力を磨いています。

個別学習で弱点を克服

 個別学習の60分間では、生徒それぞれが自分の課題に取り組んでいました。文法を学習していた生徒は「うーん、この仮定法が…」とうなりながら文法教材に向き合い、長文に取り組んでいた生徒もいました。時々「先生、これ教えてください!」という生徒もいて、先生は生徒と近い距離にいます。メニューは個別に組まれていて英検をやる生徒、受験のための過去問をやる生徒と様々ですが、一人ひとりの学習をサポートしていました。完全に個人のニーズに合わせたカリキュラムが組まれているため、みんな真剣そのものでした。

高いレベルを目指す仲間と共に学ぶ環境

 見学を終えて一番に感じたのは、Advancedクラスの生徒たちが非常に自立した学習者に育っているということ。英検準1級合格者もいる高いレベルの環境で、お互いに刺激し合いながら学習に取り組む姿勢は、まさに理想的な学びの場だと思います。時には「あの子すごいな〜」と感心したり、「負けたくない~」と奮起したり、切磋琢磨する様子も見られました。

 多読、個別学習、グループでのリスニング&ライティングという3つの要素がバランス良く組み合わされた180分の授業は、知識のインプットとアウトプットのバランスが良く考えられた非常に完成度の高いプログラムでした。

 Basicユニットで培った基礎力を土台に、更なる高みを目指す生徒たちにとって最適な学習環境が提供されていると感じました。そして何より、生徒たちが楽しそうに学んでいる姿が印象的で、180分があっという間に感じられる、充実した授業でした!